パソコン 回収を潜入レポート
セカンドライフへ人々が移住するワケ 先だって、今をときめくリンデンラボのuwo (最高経営責任者)、フィリップ・ローズデールにインタビューする機会があった。
リンデンラボといえば、あのバーチャル世界「セカンドライフ」を運営する会社である。
三次元空間としてつくられた仮想世界の中でユーザーのアバター(分身) が住まい、他の住人と交流したり、モノを売買したりして、そこでの日常生活を営んでいる。
最近は個人だけでなく、企業や非営利組織もここに参加し、広告を出したり、イベントを開いたりする。
企業にとっては、「今やセカンドライフ内に存在しなければ、現実世界でも存在しないのと同じ」というほどに、ここで看板を上げることは重要になっているほどだ。
彼に私はこう質問した。
「どうして、みんなこんなに熱心にセカンドライフにやってくるんですかね子 やっぱりここが新天地だからですか?」ご存じだとは思うが、セカンドライフ内には「リンデンドル」という独自の通貨があって、アバターたちはこれを使って不動産を買ったり、家を建てたり、服を買ったりする。
そこでの経済規模が、今や毎月八〇〇万ドルにもなっているのだ。
私は、仮想世界という新しい土地と機会をせしめようとたりらむ、領土争いがその動機になっていると思っていた。
ローズデールの返事はこうだった。
「モノが安いからですよ」 私は目からウロコが落ちるような気持ちだった。
あ、そうか。
「新天地」という漠然とした魅力ではなく、ここにはすべてのモノが現実より安いという事実があるのだ。
ここでは家を買うのも服を買うのも、数ドル、数十ドルで済む。
島をまるごと買っても数百ドル。
現実世界とは比べものにならないほどに安い。
しょせん仮想世界など「絵に措いたモチ」 にすぎないのだから、安いのは当たり前などと言うなかれ。
いったんここの住民になると、人々は現実世界と同じ購買欲や商売欲を発揮するのである。
素敵な家に住みたい。
隣の奥さんよりきれいな服を着たい。
かくして小さなお金がさかんに行き来して、セカンドライフの経済が繁栄する。
現実世界よりも格安でお気軽な生活感が、ここを繁盛させているのだ。
彼によると、なんでも'コンピューターで上手に絵を措ける人がいい商売をしているとセカンドライフへ人々が移住するワケのこと。
三次元コンピューター・グラフィックス (oo) の制作に長けた人や、ファッション・デザインのうまい人など。
文字通り、おいしそうなモチの絵が措ける才能の持ち主なら、いくらでも商売になる。
実際、セカンドライフ内の商売で大儲けして現実のミリオネアになったCG制作者もいるくらいである。
仮想世界で得たリンデンドルの儲けを、現実世界のドルに交換できる「為替市場」 の仕組みが、そんなことも可能にする。
貧乏暮らしの多いアート系の人々がこれで儲けられるなら、私としては嬉しいことだ。
それにしても、遅ればせながら私もこの仮想世界の不思議さをしみじみと感じている。
どんなに優れていてもブログは商売にならないのに、なぜ現実世界を模した仮想世界では商売が成り立つのか。
知的生産とモノ (のような) 生産の違いだろうか。
視覚化されることに、何か大きな鍵があるのか。
あるいは、安い経済ということでは、たとえばローカル・カレンシー(地域通貨) のような試みが世界中にある。
家を片付けるといったちょっとした労働を地域通貨で払ってもらい、それを使って近所の八百屋で野菜を買う。
グローバル経済に搾取されるのを防ごうという、そんなローカル・カレンシーが爆発的な注目を集めたことはないのに、リンデンドルがこれほどの牡界的人気を誇っているのはなぜか。
そしてもちろん、なぜ現実世界のモノはこんなに高くなってしまったのか? ちょっと楽しみな考えごとが増えた気分だ。
2007.7.26第1章 毎日がイノベーションアマゾンのキンドルが欲しい!アマゾンのキンドルが欲しい! アップルのスティーブ・ジョブズが最近、「キンドル」 についてこんなコメントを述べたそうだ。
「まあ、いいか悪いかの話じゃなくて、そもそも本を読む人なんてもういないよ」 キンドルは、オンライン書店のアマゾンが二〇〇七年秋に発売した電子書籍リーダーである。
ペーパーバックを少し大きくしたくらいのサイズで、重さは約三〇〇グラムと軽量。
書籍だけでなく、新聞やブログも読める。
電子辞書機能もあり、ウイキペディアにも接続可能で、スクリーンも明瞭、ページ繰りも簡単。
お値段は三九九ドルとちょっと高めだが、私はこれが欲しくて仕方がない。
なんといっても、キンドルを持っていれば、ベストセラー新刊本が1000円ほどで買えるのだ。
アメリカのハードカバー新刊本はたいてい二五〇〇円ほどの価格がついているから、これはかなくお買い得だ。
ところが、いつ見てもキンドルは品切れ状態で、どうやら1部の人々の間ではけっこうな人気になっているらしい。
今度入荷したら買おうか、あるいは日本語版が発売されるまで待つべきか迷っている。
確かにキンドルは、iPodやiPhoneほどの超人気は出ていない。
当初五〇〇〇個ほどを出荷したという噂だから、百万個単位で勘定しているアップルとは桁違いだ。
売り出しもけっこう地味めだった。
ただ、キンドルにはiPodやiPhoneより数段すぐれた機能がある。
通信だ。
それも書籍データをキンドルに直接ダウンロードできる上、通信料は書籍代に含まれていて、通信会社と別建ての契約を結ばなくていいのだ。
これは通信会社がマイクロペイメントに対応しているということであり、通信契約モデルとしてかなく画期的ではないだろうか。
よりやったと思うのだが、どうだろう。
iPhoneは、通信機能がついているのにもかかわらず、いちいちコンピューターに接続しないと音楽も映画もダウンロードできない。
だが、キンドルはそれだけで、そしてどこにいても欲しい本が手に入る。
この便利さをスティーブ・ジョブズが知らないわけはないだろう。
だから、わざわざそこのところに触れない冒頭のコメントは、きっと苦し紛れだろうし、本当のところは 「先を越された」と悔しがっているのではないのか。
私はそうにらんでいる。
ちなみに、長編小説一冊をキンドルにダウンロードするのにかかる時間が約一分。
スプリントの高速携帯通信ネットワークを利用していて、携帯電話並みにどこでもつながる。
ベストセラー新刊本は九・九九ドル、他の本は十数ドルともう少し価格は高め。
九・九九ドルはアマゾンとしては赤字覚悟の価格設定らしく、いかにもオンライン書店も赤字覚悟で始めたジェフ・ベゾスらしいやり方だ。
すでに九万冊の書籍がそろっていて、ベストセラー新刊本も九〇冊以上ある。
書籍以外もなかなか充実している。
ウィキペディアに接続するのは、ずっと無料。
いくつかの人気ブログも無料。
新聞は、ニューヨーク・タイムズの月購読料が一三・九九ドル、ウォールス-リート・ジャーナルは九・九九ドルなど。
このあたりの価格設定も、ウエブ購読よりずっとお手頃だ。
しかも、新聞は毎朝起きる時間には自動的にコンテンツがダウンロードされているという親切さだ。
それ以外にも、検索機能もついているし、写真やドキュメントを受信して、キンドルの画面で見ることもできる。
なかなかの機能搭載だ。
もう十年も前から、電子書籍はいろいろな構想や商品が出ては消えている。
すでにあって当然のものなのに、実用化技術がどうもうまくいかないのだ。
画面が見にくい、使いにくい、書籍数が少ない、価格が高いと、いろいろなケチがついていた。
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